お茶くみOL

女性の総合職採用が一般的になってきて、今はOLなんて呼び方をするかどうかわかりませんが、とりあえず昔の話なので「OL」とします。

学校を卒業して社会人になって、前にいた会社になるのですが、石鹸メーカーで営業をしていました。

朝出社して席につくとすかさず女子社員がお茶と灰皿を持ってきてくれます。
「おはようございま~す。今日はちょっと早いですね。ちょっと早く出ると通勤も楽ですよね」
とか声を掛けてくれます。これは職場で普通に見られる光景でした。

新人として配属になって2日目に、先輩OLが
「ざがあとさんの湯飲みはこれなので覚えてくださいね」
ってお茶を入れて机に置いてくれる。
「はあ、ありがとうございます」とか恐縮して礼を言うのですが、後ろからベテランOLっていうかおばさんが耳元で、
「○○ちゃん、昨日日本橋三越で、ざがあとさんはどれがいいかなとかさんざん悩んで決めたんだよ。気に入ったって言って上げてね」っていわれたので言いましたが、すごく喜んでいました。

営業として一人前になると、営業事務のOLと経理事務のOLがひもづけられて、営業事務のOLは不在時の御用承りなので関わりが濃い。この人が毎朝お茶を入れてくれて、ついでに仕事のちょっとした情報交換をしてだいぶ助かったりします。

こういう女子社員の方は、毎朝1時間ぐらい早く出てきて、掃除をしたりデスクを拭いたり、ゴミ捨て、灰皿清掃とかしてくれます。大変ですね、毎朝ありがとうございますって声を掛けると、
「営業マンの方も夜7時8時まで頑張っているのだから当然」なんて言ってました。

なので営業活動で「月間達成賞」とか「ブランド別推進賞」とか金一封を貰うと、こういう内助の功に報いるため、飲み会とか食事会で全額消えます。全然惜しくないです。こういうのを独り占めする方がどうかしているという感覚。

なので職場の一体感っていうか、「明るく楽しい職場」ってこういうのを言うのだろうなと思いました。
ちょうど団塊の世代が中堅で頑張っている頃で、日本経済は成長期だし、給料も毎年上がるし、経費もがんがん使えるし、何しろ会社が楽しいっていうのが、今思うとすごいです。

ところがそのうち組合とか総務がうるさくなって、お茶くみは自粛、紙カップをおいてボタンを押すとお茶が出てくる「お茶サーバー」が導入されました。紙カップでおいしくないし、面倒なのか若い人を中心にみんなお茶を飲まなくなる。いつのまにか○○ちゃんが悩んで買ってくれたという湯飲みも不要なので廃棄に。別に少額固定資産で滅却ってわけでもないのでしょうが。

お茶くみ時の朝の会話もなくなって、朝から職場は割と静かになったり。そのうち「月間達成賞」の金一封が消えて賞状だけに。当然お礼の飲み会、食事会も減ります。
そのうち朝の机ふきまで「自己管理」になってやってもらえなくなり、女子社員の早出出勤がなくなり、「朝から元気な黄色い声」が聞かれなくなりました。そしてそれと連動する形で職場の楽しさが急降下してきました。恐らく会社の業績なんかも下がっていったのではありますまいか。

お茶くみが企業を支えていたなんて言いませんが、企業のパワーは人のパワーで、それを引き出す要因のひとつであったことは間違いないと今でも思っています。

【今日の言葉】 こういうのを思い出すと、80年代から90年代にかけて大切な何かをなくした喪失感があります

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ざがあと

Author:ざがあと
クルマを買い換えてからクルマの話題が多いのですが、本来のアイドル系やテレビ、PCの話題も根強く続けています。
って、本当はアドビイラストレータのイラストを中心にするはずだったのですが、それはそのうちぼちぼち。
プジョーの話題が多いですが、その他の話題も楽しんでいってください。

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