小学校4年生の問題

ネットとかツイッターで「簡単そうで意外に難しい小学校4年生の問題」ってことで話題になっているのですが、下の図のように、小、大、中の正方形が並んでいて、その面積の合計を求めろというもの。

shou4-1.jpg

学生時代にさんざん家庭教師のバイトをはしごしていたので、この手の問題を解くのも教えるのも得意なんですが、普通ならこういうふうにそれぞれの正方形の辺の長さを求めて解くのではありますまいか。

(1) 3つの正方形の1辺をそれぞれX,Y,Zと置いて、3連1次連立方程式で解く
(2) 一番小さい正方形の1辺をXと置いて、他の正方形の1辺をXで表し、Xを求める

結論を言うと、小中大の正方形の一辺は、それぞれ4㎝、12㎝、9㎝で、求める答えは241平方センチメートル。

(1)の方法は小学校4年生ではNGのようです。(2)の方法も方程式を虫食い算としてやればいいのですが、4年でできるのか微妙。
それじゃこれは解けないじゃんって思ったのですが、ニュースの記事ではこうやれば解けると。

shou4-3.jpg

大正方形の底辺と重なっている部分が25㎝。それに重なっていない部分の8㎝、3㎝を加えれば36㎝になるわけで、これが大正方形の3辺分に当たるから、3で割って12㎝が大正方形の1辺の長さ。
したがって小正方形は、12-8=4(㎝)、中正方形は12-3=9(㎝)ということで、連立方程式や虫食い算を持ってこなくても、小学校4年ならば解けるわけで。ふん、そうか。

で、でもちょっと待って。この解法はダメでしょう。
この問題が、正方形が接している部分と大正方形の底辺の合計が25㎝であることに気付くかどうかためしているのなら、この問題は奇問と言わざるをえません。
数学っていうのは、与えられた条件から、解決策を導き出す思考の訓練なので、虫食い算の解法なら数学的に論理的と言え、問題解法の手順通りで、良問たりえるのですが、25㎝に気付かなければ解けないっていうのでは、論理的問題解決技法にならないと思います。ほとんどパズルに近い。

ただ、私立中学のお受験を突破するには、こういうパズル的な「問題の解き方」がかなり重要らしく、名のある学習塾とかではそういう「解法のノウハウ」教えるらしいですね。論理的で演繹的な問題解決技法ではなく、入試対応のためのスキルを磨くことを目的としているような。そう考えると「勉強」なんて甘いものではありませんね。

っていうか、学習塾っていうのは教養とは何の関係もないものなのかも知れません。勉強ではなく中学受験のための技術を学びに行っているんだから。

でも、小学校の算数は、「考えさせること」を重視するって聞いたことがあります。
この問題もその範疇なのでしょうか。小学校4年生に、論理的問題解決技法を求めることが間違っているのでしょうか。

この25㎝に気付かないために問題が解けなくて、小学校4年から算数が嫌いになる子もわりといそうです。

【今日の言葉】 そんな小さなころから、「難しい問題、解けない問題は放置して次に行く」ことを覚えるから、社会にでてから難問にぶつかると「なかったこと」にして思考停止するのでしょうね

記事をアップしてから思ったのですが、この問題は、「大人が小学校4年生っていう縛りで解こうとすると難しい」のであって、当の小学校4年生には意外と簡単なのかも知れません。
子どもとつきあうとわかるのですが、彼らの考え方の柔軟さはすごいですから。
ただそういう柔らかい発想でこの問題が解けても、そこから何が学べるのかはちょっとわかりませんが。

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No title

この手の問題が、しばしば電車の車両内の広告で貼られていますが、
「これが解けるってことが、頭がいいってことなんだろうか?」
と疑問です。まあ、頭が悪ければ解けませんが。

それから、与えられた問題を解けるってことと、
新しいことをやる、作るってのは、別の「頭の良さ」が必要だなぁってのは思います。
英語のヒアリング・リーディングができても、話すってことは別の難しさがあるのと同じように。

Re: No title

エディさん、こんばんは。

おそらく某学習塾の「□い頭を○くする」っていう車内広告だと思いますが、仰るとおり「奇問」が多くてあきれることもありますね。

私たちが普段している仕事っていうのは、問題点、課題を見つけて、解決方法を考え、過去のプロセスに会わせて解決していくっていう積み重ねなわけで、大切な技法ではあるのですが、中学入試ってなぞなぞみたいな問題が多くて、そういう学問的・論理的なことでは解けないことが多く、だから日能研(あ、言ってしまった(^_^;))のような塾が必要なのでしょう。

「まず1に2をかけて、その結果に3をかけて、さらにその結果に4をかけて・・・・。このように、1から順に次々と数をかけていきます。次の問に答えなさい。
ある数までかけると、0が一の位から連続して7個並びます。ある数として考えられるのもののうちもっとも小さい数を答えなさい。」

とか、
「ある缶ジュースには1本につき1枚のシールが貼ってあり、5枚のシールで1本の缶ジュースを貰うことができます。例えば、9本のジュースを買うと、まず5枚のシールで1本もらい、そのもらった缶ジュースのシールと残り4枚のシールでもう1本貰えます。結局9本のジュースを買うと11本のジュースを手に入れることができます。
何本の感ジュースを買うと、結局321本のジュースを手に入れることができますか。」

とかは、実際に中学入試で出たようですが、まさに奇問で、ほんとに内容がないつまらない問題です。

東大の入試問題なんかも、80年代までは難問奇問が多かったのですが、かなりの批判があってか、あるいは、そういう入試を通過してくるクセのある学生を嫌ってか、90年代後半以降は良問、しかもものすごい良問に変わってきているようです。まさに教科書をしっかりやれば解けるような問題ばかり。
中学入試で奇問の解き方ばかりとらわれていると、却って東大の超・良問は解くのが難しいのかも知れません。

プロフィール

ざがあと

Author:ざがあと
クルマを買い換えてからクルマの話題が多いのですが、本来のアイドル系やテレビ、PCの話題も根強く続けています。
って、本当はアドビイラストレータのイラストを中心にするはずだったのですが、それはそのうちぼちぼち。
プジョーの話題が多いですが、その他の話題も楽しんでいってください。

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