VWの不正

フォルクスワーゲン(VW)で、ディーゼルエンジン車に違法なソフトウェアを搭載して米国の排ガス規制を不正に回避していたというニュースが話題になり、その不正によりCEOが辞任したということで騒ぎが大きくなりました。

欧州では高速で燃費があまりよくないハイブリッド車よりディーゼル車がもてはやされ、燃料1リットルで走れる距離で騒ぐより、環境に負荷を与えるのはCO2の排出量だということで、そういう意味でディーゼルが有利ってことでハイブリッドに比べ大きなシェアを確保しているようです。
といいつつも、欧州はガソリン(ドイツでいうベンジン)の価格が高く、税制的に有利な軽油が人気とか。燃料費っていうランニングコストの安さで人気があるようで、環境にいいとかいう理由は後からついてきたようで、ディーゼルユーザーをつなぎ止めるのに効果的なのかもしれません。

ただ、欧州でも「本当にディーゼルって環境にいいの?」っていう疑念はあったようで、それならちゃんと調べてみようってアメリカが動いたらVWの不正があきらかになったっていうことのようです。
っていうか、日米はモーターを使うハイブリッド車陣営になるので、技術的な革新をあまりせずに軽油という石油資源に依存し続けている欧州陣営を牽制しているっていう見方もあるみたいです。

今回の特殊なところは、テストモードという特殊な(アメリカでは「不正な」)ソフトウェアで環境基準をクリアしていたというところで、データの改ざんとかごまかしではないところが却ってやばいのです。つまり、単なるミスで、ってことではなくて、狙ってやったという悪意が確実だからです。
このテストモードでは環境性能は確保できても、クルマとしての性能が出せないそうで、実際にクルマを使うときの「ノーマルモード」では環境基準の40倍ものNOxを発生させてしまうとか。
ここまで来ると完全に「ウソつき商品」なわけで、「ルールにだけは厳格なドイツ人」がやったとは思えない体たらくにポカーン状態です。ほとんどというか、まさに詐欺なのですが、ドイツ人に人をだます知恵があったとに驚いています(笑)。

VWっていうと、簡単に言ってしまえばトヨタと同じぐらいの自動車メーカーで、当然ドイツでも国を代表する企業なわけですが、生産する自動車の半分以上がディーゼルということらしく、これが出荷できないとなるとその打撃ははかり知れません。
リコールなら法に従って修理対応をすればいいし、ある意味企業として誠実さを伝えることも可能ですが、今回のケースはメーカーとしてあきらかな悪意が指摘されているし、しかも相手は訴訟王国アメリカときては、対応はそう簡単ではないはずです。
欧州経済を牽引してきたドイツがこれでこけることになると世界経済への影響は必至でしょう。ごきげんワーゲンなんて言っている場合じゃなくなりました。
ディーゼル車を販売しているメルセデスとかBMWが「実はうちも」とか後だしで言ってきたらそれこそドイツは終わるかも。

マツダデミオのフロントグリルに赤い線が入っていたやつはディーゼル仕様だと思うのですが、販売が好調とはいうものの、今回のVWによるディーゼル車のイメージダウンが影響するかも知れません。

一方日本でもハイブリッド車の燃費競争が激しいのですが、JC08燃費の数値を伸ばすために、CVTのシフトパターンをカスタマイズした「燃費評価車」を使っているって話はよく聞きます。
これも実際の市販車とは別のソフトウェアのはずで、今回の事件と同様で限りなくグレーだと思うのですがどうなんでしょうね。

【今日の言葉】 米国発の「VWショック」とか、2015年の出来事に歴史として残るかも知れません
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No title

VWの半分以上がディーゼルなんですか、それは深刻ですね。
しかも黒幕はエンジン制御プログラムを開発しているボッシュという噂もあり、
そうなるとVWだけの話から多くのメーカーに波及することになります。
これってどう幕引きするんですかね?
プログラムを変更したりとか部品交換とか軽い対策ではダメで、
触媒システム丸ごと交換か、最悪エンジン自体交換しないとダメかと。
それにもちろん訴訟に対する費用とか、莫大な課徴金とか、
販売減なども重なって、VWはマジで窮地な気がしますね。

JC08モード燃費もかなり怪しいですね。特に最近は。
だってJC08モード燃費が33.0km/lとかなのに実燃費は15km/lとかいう車もありますからね。

Re: No title

エディさん、こんばんは。

>しかも黒幕はエンジン制御プログラムを開発しているボッシュという噂もあり、
そうですね、ディーゼルの高圧ポンプ、コモンレールの技術のパイオニアはボッシュ社ですね。
多くのメーカーに供給しているはずですから、ある意味エアバッグのタカタの二の舞になるかも知れません。

>最悪エンジン自体交換しないとダメかと。
確かに今後VWはどうするのか、自分の会社だったら仕損費の大きさにゾッとするところですが、アメリカのさる機関の今回の指摘は本当に正しいのかっていう議論に持っていくことも可能かも知れません。

そもそもクルマの仕様、性能の表記って「ある決められた条件で」やっているって言う慣習があるからです。
最高出力200馬力って言っても、すべてのロットで常に200馬力がでているわけではなく、「ある条件で出ることが確認できれば」カタログに200馬力と表記していいっていうルールで、日本の場合は国交省でこれを認めていて、「国交省審査値」としてオーソライズしています。
ただしシャシーダイナモで測定したら150馬力しかでていなかったとしても、これをクレームにするのはほぼ不可能で、200馬力は「ある特定の条件でないと出ない、出せない」っていうのは半ば常識になっています。

したがって「JC08モード燃費」も、ある特定の条件で出せる最高燃費、限界性能って解釈なので、通常その燃費が出せなくてもクレームの対象にするのは難しいわけです。
そういう解釈なら、その製品が限界性能を駆使して排ガス規制をクリアしているのなら、たとえ通常の仕様環境で大量のNOxを出しているとしても何も問題ないということになります。

ただアメリカは訴訟大国で、数年前にシビックハイブリッドがカタログ燃費とあまりにも違う結果に訴訟が起き、ホンダは示談金を払ったっていうニュースがありました。
したがってアメリカ仕様の燃費に関してはかなりカタログ燃費の敷居を下げているようです。

自動車ジャーナリストなんかも、「米国の燃費表記が一番実燃費に近い」なんてよく言っているようです。
アメリカではプリウスの公称燃費は50mpgだそうです。これは21㎞/Lぐらいで、実燃費に近いようですね。
50mpgなんて表記自体アメリカ的なアバウトさはあるのですが、アバウトではあってもウソは嫌いなお国柄のようです。

こんにちは。

やはり、アウディにも問題の対象車が出てきたようですね。210万台だとか。

まだディーゼル車が普及してないとはいえ、日本でのアウディ人気にも影響があるかもしれないですね。

我らがPCJも、近いうちにディーゼル車を投入するようなので、この期にクリーンなイメージで(車的にも、企業的にも)売上を伸ばしてもらいたいです。

Re: タイトルなし

隼さん、こんばんは。

まあアウディもVW傘下ですから当然波及するとは思っていました。
日本でアウディは人気なのですが、どうしてベンツ、BMWがあるのにあえてアウディって思っていたのですが、めちゃくちゃいいらしいですね。個人的にはフロントベビーすぎるクルマはだめだろうなんて思っていたのですが、高速では安定するし、ワインディングでもものすごいグリップを見せるとか。

で、プジョーのディーゼルですが、ボッシュとの共同開発は有名らしく、今回の事件はプジョーにも波及する可能性は大きいような気がします。却って少しニュースになった方が日本でもプジョーの知名度が上がるかも知れません(^^;)

ちなみにマツダのスカイアクティブのディーゼルは、圧縮比を下げることでNOx発生を抑えているとか。技術的なところはよくわかりませんが、ディーゼルで圧縮比14はかなり低いだろうって思います。ガソリンでも11ぐらいだから。逆に燃費もあまり良くないかも知れません。よくわかりませんが(^o^)

ただ、確実にトヨタ、日産、ホンダではディーゼルの導入が遅れるでしょうね。
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ざがあと

Author:ざがあと
クルマを買い換えてからクルマの話題が多いのですが、本来のアイドル系やテレビ、PCの話題も根強く続けています。
って、本当はアドビイラストレータのイラストを中心にするはずだったのですが、それはそのうちぼちぼち。
プジョーの話題が多いですが、その他の話題も楽しんでいってください。

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